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2008-10-20 Mon 08:05
「ホデリ、どう?」 「あと、1箇所ですかね」 艦橋中央部に浮かんだ3Dの星系MAPをホデリは右手でつつきながら答える。 ホデリの指の動き合わせ、につつかれる度にMAPはくるくる回転している。 表示されている星系はCaldari辺境のLow星系だった。 恒星の周りを7つの惑星が回っている。 第5惑星の付近に青い光点が明滅し現在の星系内での艦の位置を示していた。 「そう、次行くわよ。目標を」 「了解。目標第2惑星」 「目標第2惑星に固定、ワープ用意。周囲索敵を厳に」 艦長の命令に「了解」と航法士の返答が帰ってくる。 ホデリは自分の艦長席より一段ひくなっている副官席つくと手元のコンソールから次の目標である第2惑星が艦の航法システムに正しく入力されているのを確認した。 「目標固定完了」 「ワープいけます」 航法士と機関長の声に艦長は軽く頷く。 ホデリは口元のマイクを全艦放送に切り替えて告げる。 「総員、ワープに備えよ」 副官席の画面に表示させた各科の準備状況を示す表示が赤から準備完了を示す緑へと全て変わるのを確認する。 「各科オールグリーン」 「周囲は?」艦長の質問に射撃管制官は問題ないと答えた。 その答えに満足したのか、怏々に艦長は組んでいた足を組み替える。 「クローキング解除」 クローキング装置、可視光は言うに及ばずあらゆる波長、重力をもを欺瞞する装置により現在、艦は隠密潜航状態にある。が、残念なことにクローキング装置を使用したままではワープは不可能である。 「クローキング解除完了」 射撃管制官が報告する。 「ワープ開始」 「ワープか・・」 艦長に続き、ホデリが復唱する。だが、慣れたもので航法士はホデリの復唱などまるで無いかの様に艦長の言葉が言い終わるかどうかの時点でワープ航法を開始している。 ホデリは重力制御機関でも抑えきれない加速に不意打ちをくらい舌を噛んだ。 別に航法士がホデリのことを軽視しているとか、個人的に気に食わないとかそういった類の話ではない。ただ単に命令系統よりも重要な権力に忠実に従っただけの話である。 国家の枠にすら縛られない、唯一無二の宇宙警察機構の治安統制下から外れたLowにあって極僅かな装甲しか持ち合わせていない探査船が身を曝しもろくなことはない。 隠れるのを止めたならならさっさと飛ぶに限る。 ホデリの復唱を待っていたら、航法士が艦長のありがたいお仕置きを受けることは目に見えている。 ホデリが彼の立場でも当然のようにそうするであろう。 機嫌こそが全て。 それがこの艦、いや、この艦長の下で働く人間には当然のことのように身体に染み付いている。 急激に現実空間から引き剥がされていく感覚に吐き気を覚える。 何時ものことではあるが、ホデリはいまだに慣れない。 人によってはワープの度に胃の内容物をぶちまけるらしいが、ホデリは幸いそこまでは重傷ではなかった。もしそこまでの重傷であれば軍艦もしくはそれに準ずるような艦には乗れない。 ふっと身体に現実感が戻ってくる。 ホデリは身体から力を抜き、呼吸を整える。 ディスプレーを一瞥し、艦の状況、位置、報告すべき事項を確認していく。 問題は無い。 「ワープ終了。出現位置誤差±200k以内。問題ありません」 「いいわ、プローブ射出用意」 艦長の言葉に射撃管制官がホデリ向かって軽く頷いた。 ディスプレーで確認をする。 ディスプレーには探査プローブがが射出可能状態に在ることが表示されている。 「射出準備完了」 「射出。直ちクロークに入れ」 「プローブ射出」 小型の探査プローブがランチャーより射出される。プローブは射出後、アンテナを展開しその位置に留まるよ様に姿勢制御を開始する。 艦橋中央の3DMAPに探査範囲を示す薄いブルーの半透明の球体が第2惑星を中心に表示される。 都合6つの球体が表示され、全惑星を探査範囲に収めている。 「クローク完了」射撃管制官が報告した。 「ホデリ、問題は無い?」 「ええ、全惑星探査範囲内です」 「探査開始。じゃ、後は任せたわよ」 そう言うと艦長は席を立ち、艦橋の出口へと向かう。 「艦長?」 ホデリは艦長を呼び止める。 「なに?」 艦長は怪訝そうな声を出し首だけ振り返る、だが出口へむかう足は止めない。 「どこいくんですか?」 「果報は寝て待って言うでしょ。それにただじっと待っているだけなんて絶ええられないわ。後はよろしく」 そういい残すと艦長の後ろ姿はドホデリの視界から消えた。 つづく |
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2008-09-20 Sat 16:20
ドックの中に銀鼠に鈍く光る巨大な艦が停泊している。
猛禽類を想像させる両翼を広げた様に張りだした艦形が特徴的だ。 Caldari宇宙軍主力戦艦Raven級 艦名はまだ無い。 与圧はされているがドック内の重力制御は解除されており、艦にはいくつもの作業アームが取りき、作業員がドック内を飛び交っている。 仲介業者からの引渡しは終わりっているが、艦名登録はまだされていない。 現状は使用者の要望に合わせて、兵装、電子システム、主機、内装、ありとあらゆる装備の艤装が行われている。 「ホデリ!」 甲高い怒鳴り声が騒音に満たされたドック内を駆け抜ける。 ホデリが視線を声のほうに移すと、青い作業つなぎに身をつつんだ艦長が収納されたボーディングブリッジを軽く蹴りこちらに泳いでくるのが見えた 「おつかれさまです」 ホデリは艦長に声をかけた。 「はい?」 作業員の声や機械の作動音などでドック内は顔を近づけないと会話もできない。 ホデリはさらに艦長に身を寄せ、耳元で怒鳴った。 「で、ちゃんと受け取ってくれました?」 「もう、そんなに怒鳴らなくても聞こえるわよ。受け取ったわよ」 「では、次はこれです」 ホデリは電子ペーパーの表示内容を変更し艦長に見せた。 「まだあるの?」 少しげんなりした声で艦長が聞き返す。 「えぇ、たぶんこれが最後ですから」 「もう嫌よ、往復20ジャンプ以上してきたのよ。こんどはあんたがいきなさい」 「いいですけど・・・」 艦長の方を見ながらホデリは少し困ったような顔をしながら言葉を続ける。 「これLowですよ。私の身の心配はしてくれなくても結構ですが。荷物の安全までは知りませんよ」 「え?」 艦長の顔が困惑でゆがんでいく。 「で、私逝きましょうか?」 「なんでLowなのよ!!」 艦長が顔を真っ赤にしながら叫んだ。作業員達の手が止まりいっせいにこちらに視線を送ってくる。 ドック内に異様な静けさが満ちる。今までの喧騒が嘘のようだ。 作業監督をしている機関長が一声 「さぁ〜、働け」 作業員たちは蜘蛛の子を散らすように作業に戻っていく。 「で、なんでLowなのよ」 Lowは警察機構の実質的制圧化になく海賊が頻繁に出没している。当然、身包みはがされるのはましなほうで、死亡者も後を絶たない。 「なんでてって、装備品をケチってかたったぱしから安物買いに走ったのは艦長じゃないですか。おかげで、艦の引渡しまでに受け取りが間に合わない。艤装がおわらなきゃ出航できないんですよ、出航できないてことはどういうことかわかってますか?」 艦長の顔がこわばり始める。 「だいたい、何で対費用効果も考えないで安い物を買うんですか。いいですか、艦長は基本的にお金の計算はできないんですから、今後は勝手に」 「わかったわよ!!」 艦長がホデリの言葉を思いっきり途中でビンタにより中止させる。 「受け取り先のステーションと品物の詳細を輸送船に転送しといてね」 そう言い放つと艦長はビンタの反作用を利用してボーディングブリッジのほうに流れていく。 ホデリは呆然とボーディングブリッジから気密室へと消える艦長の後ろ姿をビンタの作用により艦のほうに流されながら見送ると電子ペーパーの内容を輸送船に転送し、おもむろに電子ペーパーを引き裂いた。 鈍い音がしてホデリの体がRaven級の艦体に当たる。 「艦長の馬鹿野郎!!」 ホデリの一際大きな叫びがドック内にこだました。 |
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2008-05-08 Thu 00:40
「敵、さらに右舷方向にワープアウト」 射撃管制官の報告に艦長は舌打ちする。 舌打ちの音が静まりかえった艦橋に響く。 「さらに艦尾方向にもワープアウト確認、総数24」 「退路が絶たれます」 ホデリが悲痛な声を上げる。 「艦首方向に火力集中、突破する。ホデリ攻撃は任せるわよ」 「了解」 艦長の命にホデリが答える。 「ミサイル1番、2番。目標α4。3番、4番、目標β7。5番、6番、目標α2。弾種EM」 「了解、緒元入力完了。発射」 射撃管制官の指がコンソールの上を滑るように操作していく。 「撃破確認。続いて、目標α1、β5、β2」 艦長はホデリの戦闘指揮に頷くと、艦長席のコンソールを操作する。 「操舵手、操艦もらうわよ」 「了解、艦長に操艦渡します」 操舵手の手が操舵桿から離れ前に艦長は操艦を掌握している。 「機関、出力制限解除。ぶっ壊れてもいいわよ。帰るほうが優先よ」 艦長が言い放った。 その声を聞きながら戦闘中、しかも絶対絶命の状況においても機関の修理代を考えてしまう自分にホデリは苦笑する。 「了解」 機関長が嬉しそうな声で艦長に右手を上げて答えた。 「ホデリ、へましたらわかってるわね」 「よくわかりませんが、へましないように心がけます」 艦長への返事もそこそこにホデリは戦術ディスプレーを注視する。 艦首方向の敵艦はそれなりに撃ち減らしたが状況的には圧倒的に不利なままである。 「艦尾方向の敵さらに接近します」 射撃管制官の声にホデリは頷く。 「無人艦載機の迎撃距離までは?」 「約2分」 「兵装管制をもらう。迎撃可能距離で艦載機射出。艦載機管制は任せる」 「了解」 射撃管制官が頷いた。 「ホデリ久々ね」 「何が・・」 ホデリは艦長の言葉の意味に一瞬疑問を抱いたが、すぐ思い当たった。 「そうですね。かなり久々ですね」 艦長とホデリ、操艦、兵器管制を分担するのはフリーゲート艦以来だった。 駆逐艦を就航させてからは必然的に人員も増えホデリも副長として艦長の補佐に徹していればよくなっていた。まして艦長が操艦をすることなどなかった。 「さ、いくわよ」 艦長が嬉しそうに笑った。 続く |
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2008-01-30 Wed 00:04
このところカルダリ宇宙軍の仕事を主に請け負っている。 海軍への貢献が認められたのか、L3任務をまわしてももらえるようになっていた。 そのおかげで艦の財政状況もだいぶ緩和され、とうとうDrake級戦闘巡宙艦を就航させる。 艦体は大きくなったがMoa級巡宙艦の艦橋とさして広さは変わらない。その中央、一段高くなった場所に艦長席が王座さながらに鎮座してる。 本来は艦橋全体を見渡すためにその位置にあるのだが、艦長が座るとそこは玉座に早変わりする。 艦長は艦長席で足を組みながら珈琲を飲んでいた。 「艦長、今月の経理報告書です」 ホデリは艦長に電子ボードを渡す。艦長は少しめんどくさそうな顔をしながらもマグカップを置き、ボードに目を通し始める。 「だいぶ収益があがってるわね」嬉しそうな艦長の声にホデリの顔も緩む。 とりあえず2,3日はこれで機嫌がいいだろう。 「よし」 艦長の声にホデリは少し身構える。 「どうしました?」 「ぱぁ〜と、みんなにボーナスでも出しましょうか」 その言葉に艦橋に詰めるクルー達から歓声があがる。 艦長の言葉に多少の安堵と喜びを感じならがホデリは頷いた。 「わかりました。月末に支払いしておきます」 「そうして頂戴。あとこれを清算よろしくね」 艦長は端末を操作して電子ボードに新たな数字を付け加える。 「うんじゃ、後はよろしく。少し戦闘前に休むは。みんなにも休息をとらせてね。アンタも休みなさいよ」 「了解しました」 ホデリはボードを受け取ると敬礼し、艦橋を出て行く艦長を見送る。 艦橋のドアがしまり、艦長の後ろ姿が消えるとホデリは副官席についた。 さっき決済を受けた電子ボードの内容を艦のメインフレームに転送する。 「半舷休息。1時間づついつものローテーションで休んでください」 ホデリの言葉に、休息時間のクルーは早速席を立ち艦橋を出て行く。 残ったクルーを確認してホデリは事務作業に戻る。艦長から頼まれた清算が残っていた。 「あ・・・・」 ホデリの表情が一瞬で氷付く。 +4Implantの請求が4件。 急に胃の辺りに痛みを覚える。 ボーナスの件もクルーに聞かれてしまっている。いまさら出さないとは言えない。 帳簿上ではクルーにボーナスを支給してもどうにか赤字にはならないですんでいる。 とりあえず赤字ではないが、来月もホデリの苦悩は絶えそうに無い。 |
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2008-01-23 Wed 16:05
航宙日誌 #9 エンジニアリング系、特にシールド系のスキルを上昇させて第三次学習計画終了。 第四次学習計画としてミサイル系スキルの学習に着手。 約一ヶ月の予定。 基本方針としては砲を専攻する予定だったがCAL艦乗りである以上ある程度はミサイルの学習も必要か。 第五次学習計画として、操艦スキルを予定。 |





